チラシの裏の落書き日記

統計とか,研究とか,日常についての備忘録的なもの。

仕事の仕方メモ

仕事の仕方について自分なりやっていること工夫など自分のためにメモを残しておく。言語化することによって,より精緻化したり,不要な部分を削除したり工夫ができるようになると思われる。

論文を書く手順

  1. イデアを思いつく
  2. 先行研究を調べる(このときに関連論文をまとめておくとそのままイントロに使えるので,その手間を惜しまないようにしておく)
  3. 先行研究を参考にしながら,新しいアイデアを形にまとめる。特にcontributionについて意識をしながら,何が主張できるのかを言語化する。
  4. プログラムを実装する(必要に応じてシミュレーション,実データ解析を行う)。
  5. 結果の図表のイメージを作る。このとき,自分の主張に適切な形になるように留意。ただし,簡単な条件だけでなく,難しい条件なども含めておく。
  6. 論文全体のアウトラインを作る。とくにイントロのストーリーをきちんと考える。あとで目的が大きく変わらないように,目的の部分はぶれないように注意。
  7. イントロを書きながら引用文献を追加してく。
  8. 理論的な部分(数式を書いたりなんだり)は淡々と作業として行う。
  9. シミュレーションなどの条件,結果,考察も順に淡々と書く。
  10. 一旦ドラフトを書き上げることを目指す。
  11. ドラフトが書けたら,全体の推敲や記述を追加するべきところなどを考える。
  12. ほどよいところで,校閲に出す
  13. 校閲の結果を確認して良さそうであれば,投稿する。

研究全体の捉え方・研究の実行方法について

  1. 論文執筆やアイデアの具体化をする際には,何も考えなくても実行できるくらい細かくタスクを分割する(アルゴリズムに落とし込めるように)。
  2. 簡単でつまらない作業を積み重ねるといつの間にか一連の塊になっているようにする。
  3. 大前提として,論文執筆はつまらないしアイデアを考えることも面白い作業であるわけではないことを受け入れる。
  4. つまらない作業を積み重ねることが研究だと割り切る。
  5. 作業それ自体はつまらないかもしれないが,研究をすることで,自分の人間性を磨き,世の中に貢献することができることを理解する。
  6. 研究と執筆は習慣(歯磨きと同じ)。やる気があるときにやるのではなく,やる気とは関係なくやる。とにかく書く。考えることは書くことと同じ。
  7. 面白いからやるのではなく,解かなければならない問題があるからやる。
  8. 最も大事なことの一つが,解くべき問題を同定すること。この問題設定の良し悪しによって,研究の質が決まってしまう。
  9. アドバイスを求める相手を常に持つ。
  10. 現象を捉えるために言語が必要になるので,言葉に敏感になる。
  11. 効率的な論文執筆は難しいが,非効率な論文執筆を避けることはできる。非効率な論文執筆方法は複数の論文を掛け持ちして書くこと。プロジェクトは一つに限定して,論文投稿するまでは基本的に他のプロジェクトを開始しない。
  12. 一つの論文のネタに書けていい時間は3~4ヶ月程度を目安にする。時間がかかりすぎないように手早くまとめる。
  13. タイムスパンとしては,テーマを決めることとアイデアを形にして行けそうかどうかを判断するのは1~2ヶ月以内で,論文執筆は2ヶ月以内程度で行う。
  14. ソフトやPCや機材にはあまりこだわらないが,結局認知資源と手間を削減できるものを選択する。正直Word,Excel,Rをきちんと使えれば,バージョン管理ソフトは実質的に必要にならない気がする。TeXは認知資源が必要すぎる。プレゼン資料もbeamerよりPower Pointで作ったほうが,疲れない。
  15. 執筆は始めるのが一番めんどうなので,何も考えずにソフトを立ち上げ,”ああああ”など打ち込んで,書き始めた気になることが大事。
  16. 気分が優れなかったら,すぐに寝る。昼寝大事。
  17. 寝不足だと何もできないので,寝る。とにかくすぐに寝る。

研究のアイデアの出し方のヒント

  1. イデアを思いつくためには,現状と理想のギャップに注目する
  2. モデルを拡張するためには,パラメタを足す,データの相を増やす,今まで無視されていた項を入れる,モデルを混ぜる,
  3. 推定アルゴリズムを作ることも研究
  4. 既存のモデルを比較することも研究
  5. 実データに最先端のモデルをいくつか適応してみることも研究。このときに,特にどのような困りが生じるのか,狙ったとおりにならない点を注意深く観察する。”もっとこうだったらいいのに”という点を感じる。
  6. 言葉の定義をキチンと自分なりに消化する。研究者が必ずしも,同じ言葉を同じ意味で使っているとは限らない。
  7. 定式化が意味不明なものを理解できる形にするのも大事。拡張の可能性を探る。
  8. 既存のモデルにこだわり過ぎない。そもそもなんのためにそのモデルが存在したのかを調べる。
  9. 自分がしっくりこないものを大事にする。どういうふうに表現するとしっくり来るのか,気持ちのよい表現を考える。
  10. 他分野の理論研究ですでに利用されている知見が利用できないか考える。学問がつながっていることを意識する。
  11. 大きな文脈で考える。すでに流行しているものは決して追わない。誰かがやるから,自分がやれるようになるころには,研究のネタはなくなる。
  12. 地味だけど大事な研究もあることを意識する。
  13. 誤解,誤用されているモデルについて考える。
  14. 疑問や興味をひたすら言語化する。異なったことでも意外とつながっていることがあるので,自分の真の興味に敏感になる。
  15. テクノロジーの発展に注目する。新しく得られるデータや分析方法などがあるかどうか。
  16. 誤った問題設定を行わないように気をつける。意味がないと感じられることは決してやってはいけない。自分にとって意味があっても,他人に意味がないと思われることもやってはいけない。これは,ウケが良い研究を行うということを意味しているのではない。意味がある研究ができるかはわからないが,意味がない研究を避けることは絶対に必要。