チラシの裏の落書き日記

統計とか,研究とか,日常についての備忘録的なもの。

問題を解決するために何を考えるのか

 問題を解く前に考えるべきこと。第1に何を目的にしているのかを明確にしなければならない。大きな目標からしたら,現在目の前にある”問題のようなもの”は本当の問題ではないかもしれない。実際には取り組んだり解決する必要がないものの可能性がある。もっとも大きい目標に照らして何が解決されれば,目標が達成できるのか逆算的に考える。そのなかでベストな道筋を探し,そこで出会う問題を一つ一つ解決していけばよい。

 問題の定義は目標との関係で変わりうることを念頭において,今何の問題に回答しようとしているのか,正確に見定める。目標達成のために解決する必要がない問題であれば,さっそうと無視する。取り組まなければならない問題に当たった場合には,その問題を5W1Hを明確にして述べる。文章にして書いてみるのがよい。固定された言葉は物理的なものと同様に取り扱うことができる。話し言葉で宣言するだけではふわふわしたまま変化してしまう。一度紙などに書いて現状を固定する事が必要となる。書いてみた問題は,抽象的すぎないか具体的すぎないかをチェックする。抽象的すぎると実際の行動に移すことができないし解決できない。具体的すぎると解決する意味がない問題になってしまう可能性もある。このあたりは非常に感覚的なものなので,人に相談するのもよいかもしれない。目指すべきは具体的な対象がイメージ出来ながらできるだけ一般性が高い状況を設定すること。個人的には自分の考え方の癖として抽象的すぎることが多いので具体性を高めに考えるように注意をしている。

 解を出すべき問題が見定められたら,それをさらに分解する。具体的に何が達成されれば,その問題が解決されたことになるのか,より細かい問題に分割していく。このサブ問題は大きな問題よりもより具体性が高いので,実感が持ちやすい。ポイントなのは,ストーリーとしてなぜそれらのサブ問題が必要になるのか,ということ。大きな目標を設定したときに解くべき問題がどのように定められるのかもストーリーに依存するが,細かいサブの問題にも同様にストーリーが必要となる。
なんとなくそれぞれのサブ問題が大事だから,というような思考ではいけない。それぞれを解くことが何を意味しているのか,位置付けと関係を述べることが必要になる。

 さらに,このサブ問題を解決できる具体的な作業に落とし込んでいく。理想的にはほとんど何も考えずにできるような形にできるのがよい。コンピュータにでもなったつもりで,考えないでもできる作業まで落とし込めたら,非常によい。あとは,ひたすら作業をしていくだけ。
このあたりは自分の得意な型に引き込めるとより速く,確実な解が得られる。どうしても必要であれば,新しい知識をみにつけることもいとわない姿勢は必要。目的がしっかりしていれば,学びは非常に早いものだ。

 もちろん途中で予期せぬ自体に直面することはあるが,全体のストーリやサブ問題の位置付けがしっかりしていれば,修正は容易になる。

 こうした目標の設定,問題の定式化,ストーリーの設定,問題の分解,作業の実行,という一連の営みを何度も繰り返してプロセス全体の作業に習熟するで,何が良い問題なのかなのかがわかってくるのだと思う。自分の頭で考えるということはこうしたことの積み重ねと繰り返しなのだと感じる今日このごろ。